こんにちは元プロボクサーのAKIです。
先日のボクシング記事が、予想外に好評いただいているようで嬉しいかぎりです!
これまでに書いた記事です↓
【元プロボクサーの私見】井上尚弥vsドネア バンタム級王座統一戦
ボクシング史上最大のタイトルマッチ「ゴロフキンvs村田諒太」について語る
調子に乗って、格闘技を語るシリーズいってみたいと思います!
今回は、先週日曜日に開催された格闘技イベント「THE MATCH2022」で対戦した、那須川天心vs武尊の試合を、僕なりに考察していきたいと思います。
結果は那須川天心が判定で武尊に勝利しました。
タイトル通りの世紀の一戦になりましたね!
今回は3 Rでの試合でしたので、1Rで那須川天心がダウンを取った時点で、ほぼ勝敗は完全に決していたのではないでしょうか。それにしてもキレイにカウンターが入りましたね。
武尊は残り2Rで最低でも1回ダウンを取らないと勝つことは難しくなった為、かなりラフなスタイルになってしまいましたが、これはしょうがないと思います。人生がかかった一生に1度の勝負ですから。
【元プロボクサーの私見】
那須川天心は本来55〜57kgの体重で試合を行なっています。
対する武尊は60kgで戦っているので、約3kgの体重差があり、2人には3階級ぐらいの差があることになります。
ボクシングで言うとスーパーバンタム級(55.3kg)とスーパーフェザー級(58.9kg)の選手が戦うことになるのですが、体重差がありすぎるので本来そんな事は出来ません。
今回は対戦を実現させる為に「キャッチウェイト」というやり方で対戦まで漕ぎ着けました。キャッチウェイトとは「契約体重」のことで、事前に両選手間の話し合いで決められた体重(今回は両者58kgで合意)で試合を行うことです。
これに関しては那須川天心が有利だの議論になってましたが、キャッチウェイトで契約した以上どうしようもない事だと思います。
ただ、武尊は試合当日3時間前に計量をしなければならなかったのは、かなりマイナス要素になったと思います。
本来、計量が終わればその後は基本的に制限がないので、自分のベストのコンディションの体重まで戻します。今回武尊はそれは出来なかったので、精神的にかなりキツイ状況で戦ったはずです。リングに上がった時点で悲壮感が漂っていました。
対して那須川天心は3時間前の計量がないので、いつも通りにリングインしてました。格闘技もメンタルが凄く重要な要素なのでこの時点で大方の勝負は決まっていたと思います。
1点驚いた点は2人が使ったグローブが6オンスだった点です。※ちなみにオンスは重さの単位で1オンス28.35gです。
ボクシングでも軽い階級(スーパーフライ級まで)では90年代初頭まで6オンスを使っていましたが、安全面を考慮してそれ以降は8オンス以上を使っております。
グローブが軽くなればスピードと威力は増しますが、拳を怪我するリスクも高くなります。格闘技の選手のほとんどが使っていると思いますが、練習の際は拳を痛めないように「ナックルガード」という保護パットをバンテージの下に巻いて練習しています。
僕もプロの時はナックルガードを使って練習していました。ナックルガードを使えばパンチの衝撃を吸収してくれるので、拳を痛めるリスクを減らす事ができます。ほとんどのプロボクサーがナックルガードをつかっていると思います。
もし格闘技を始めたいと思っている人がいましたら、グローブと一緒にナックルガードを買うことをお勧めします♪
6オンスのグローブは軽いのでスピードもパンチ力も増しますが、スピードのある選手とパンチ力のある選手のどちらが有利かといえば、間違いなくスピードのある方が有利です。なぜならパンチが先に相手に届く可能性が高くなるからです。
いくらパンチ力があっても相手に当たらなければ意味がないですから😅
ちなみに、練習時は普段より重いグローブを使って練習しています。重いグローブの方が腕に負荷がかかりますし、ケガのリスクを抑えるという意味もあったりします。
日本の格闘技の選手は、ほとんどがウイニングのグローブを使っているのではないでしょうか?
こちらは日本製なので凄く丈夫で長持ちします。
僕も練習生時代から引退まで同じグローブをずっと使っていました。
凄くいい商品なのでチェックしてみてくださいね。
今回は那須川天心 対 武尊の試合について書かせていただきました。自分もまたトレーニングしてみようかな?と思えるぐらい本当に素晴らしい試合を見せていただきました。
両選手ともにお疲れ様でした!そしてありがとうございました!
以上、AKIでした♪